日本史の大学受験勉強をするときに教科書を使う受験生は多いでしょう。
日本史の入試問題は実際に教科書の範囲から出題されるため、教科書を使った勉強方法は正しい方法です。
しかし教科書だけで日本史の共通テストや二次試験・一般入試で高得点を取ることは難しいでしょう。
今回は教科書だけで日本史することをおすすめしない理由と、教科書を使った正しい勉強方法を解説していきます。
目次
日本史の大学受験の勉強は教科書だけで十分?
日本史の共通テストや二次試験・一般入試で安定して高得点を取るためには、教科書だけを使った勉強方法はおすすめではありません。
その理由を解説していきます。
- 教科書は良書だが非効率
- 時代ごとにまとめられていることが一般的
- 一問一答などの問題集は必須
教科書は良書だが非効率
日本史の入試問題は教科書に記載されている範囲から出題されます。
そのため教科書を使った勉強方法はとても有効ですし、おすすめの勉強方法です。
しかし、皆さんが持っている日本史の教科書はとても分厚いはずです。
受験勉強を本格化した時、いきなりその分厚い教科書を読み進めて暗記しようとすると、暗記の抜け漏れや意味が理解できなかったりと非効率な勉強になってしまいます。
そのため、まずは日本史の全体像を理解できるような参考書から勉強を開始することをおすすめします。
そして、教科書はその全体像を把握してから、その流れの間の知識を埋めていくように利用するようにしましょう。
時代ごとにまとめられていることが一般的
教科書を開いていただくと、
「平安時代→鎌倉時代→室町時代」
のように時代ごとにまとめられていることが一般的です。
確かに、各時代でどのようなことが起きたのか暗記することは日本史の受験対策でとても重要です。
しかしそれと同じように、政治史や文化史、農業史といった、それぞれの視点でどのように歴史が変わってきたかも理解しておく必要があります。
この視点の勉強が教科書では難しいのです。
まとめると、教科書は下記のように時代ごとに出来事がまとまっていることが一般的です。
しかし、日本史の受験勉強をするためには「政治史の流れ」、「文化史の流れ」のように一つ一つに焦点を当てながら時代の移り変わりを意識することが重要になります。
教科書の記載
平安時代の政治、経済、外交、文化、農業
鎌倉時代の政治、経済、外交、文化、農業
室町時代の政治、経済、外交、文化、農業
勉強したい視点
政治史:平安時代→鎌倉時代→室町時代
文化史:平安時代→鎌倉時代→室町時代
農業史:平安時代→鎌倉時代→室町時代
一問一答や過去問対策は必須
教科書だけの勉強方法では暗記という「インプット」しかすることができません。
しかし勉強した内容をきちんと暗記できているか確認し、理解度を上げていくためには演習問題を解いて「アウトプット」をする必要があります。
つまり、アウトプットのための一問一答や問題集、過去問などを利用する必要があります。
特に共通テストや二次試験・一般入試でどのような問題が出題されるかを把握し、それに対策するための過去問や問題集は必須と言えるでしょう。
そのため教科書でインプットした内容を問題集を使ってアウトプットしながら、理解を深めていく勉強をするようにしましょう。
日本史の大学受験勉強の教科書の使い方
日本史の教科書を使った勉強方法はとても有効ですが、教科書"だけ"を使った勉強方法はあまりおすすめでないことを解説してきました。
ここからは日本史の教科書の正しい使い方を解説していきます。
- いきなり教科書の隅から隅まで暗記しようとしない
- 教科書は知識の補充に使う
一回で教科書の内容を完璧に暗記しようとしない
教科書を使って勉強しようとするとき、教科書を読み進めて重要語句を暗記しようとする勉強が一般的だと思います。
その際に重要語句の一つ一つを完璧に暗記するために多くの時間をかけてしまう受験生が多くいます。
しかし、暗記というのは一回の勉強にどれだけ時間をかけようと、覚えるものが多ければすぐに忘れてしまうものです。
例)英単語の暗記
「毎日1時間かけて30単語を覚える」という勉強をしたとしても、昨日覚えた単語や一昨日覚えた単語はどんどん忘れていくものです。
そのため何度も英単語帳を反復して勉強しているはずです。
これは日本史の勉強でも同じことが言えるのです。
一回で一つ一つの語句を完璧に覚える必要はなく、インプットとアウトプットを繰り返しながら、何度も間違えながら暗記していくことが重要になるのです。
そのため、教科書は一回で覚えようとするのではなく、何度も何度も反復するように使うようにしましょう。
教科書は知識の補充に使う
最初に少し説明したように、いきなり教科書を前から後ろまで全部読み進めていくことはとても非効率です。
そのため、まずは教科書以外の参考書で日本史のざっくりとした流れを理解することが重要です。
教科書を利用する際は下記のようなことを意識しながら知識を補充していくようにしましょう。
- 大まかな流れの合間合間にどのようなことが起きていたのか
- 大まかな流れに記載されている内容の深堀り
- 大まかな流れがなぜ起きたのか(前後の因果関係)
このようなことを意識しながら、必要に応じて随時教科書を開いて知識を補充していくことが、教科書の正しい使い方になります。
日本史の教科書を使った正しい勉強方法
ここからは大学受験における日本史の勉強方法を解説していきます。
何度も説明したように、大学入試は必ず教科書の範囲から出題されるため、教科書での勉強はとても重要です。
先ほど説明した教科書の使い方を意識しながら、具体的にどのように勉強していくべきか解説していきます。
- まずは日本史の全体像を浅く広く勉強する
- 一問一答で理解を深める
- 教科書を使って知識を埋めていく
- 過去問対策の演習問題を行う
まずは日本史の全体像を浅く広く勉強する
日本史の受験勉強を始めるにおいて、一番大切なことが日本史の全体像、ざっくりとした流れを理解することです。
流れを理解せずに、教科書や参考書で細かな知識を暗記しようとすると、何の勉強をしているか理解しないまま勉強を進めていくことになります。
日本史の入試問題が下記のように単純な暗記ができているかどうかを問う問題であれば、全体像を把握していなくても解くことができるでしょう。
問)建武の新政を行った人は誰か答えよ。
→後醍醐天皇
しかし、共通テスト等で出題される問題は、このような知識を持っていることは当然として出題されます。
実際に日本史の共通テストの過去問を確認してみましょう。
2023年度共通テスト日本史の過去問:https://www.toshin.com/kyotsutest/nihonshi-b_question_1.html
Toshin.com
このように実際の入試問題は重要語句の知識だけでなく、歴史の流れについても理解しておく必要があります。
そのため、まずは浅く広くでいいので日本史の全体像を理解するところから勉強を始めましょう。
一問一答で理解を深める
日本史の大まかな流れが理解できたら、一問一答を使って勉強していきましょう。
一問一答を使うことで、大まかな流れの中でどのようなことが起きていたのかをより細かく理解していくことができます。
もちろん、あくまで全体像を理解しただけに過ぎないので一問一答で分からない問題も多く出てきます。
その時に教科書を使って勉強していきます。
教科書を使って知識を埋めていく
教科書はいきなり前から読み進めていくのではなく、一問一答で解けなかった問題があった時に、その該当箇所の知識を補充するために使いましょう。
教科書を最初から最後まで読み進めて、それを反復することはとても容易ではありませんし、限られた受験勉強の期間において非効率です。
そのため下記のように勉強の流れをイメージしながら教科書を使って知識を埋めていくようにしましょう。
全体像の把握
↓
一問一答&教科書
一問一答は受験対策で重要となる箇所を出題してくれていますので、そこをピンポイントで教科書を使って勉強していくことで効率的に勉強を進めていくことができるのです。
過去問対策の演習問題を行う
全体像の把握と一問一答&教科書での勉強がひと段落ついた段階で基礎固めは完了です。
最後に過去問対策を徹底するようにしましょう。
- 共通テストだけ利用する
- 二次試験・一般入試でも利用する
どちらのパターンであっても、自分が必要としている学力に合わせて対策していくことが大事になります。
二次試験・一般入試の対策をする場合、記述式の対策が必要になってくる方もいるでしょう。
その時も過去問対策の演習問題を行いながら、知識が足りなかった場合は必ず教科書を使って再度インプットするようにしましょう。
教科書は受験勉強が終わる最後まで、復習のために何度も反復して使うことが大事になります。
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